
体外衝撃波治療
SHOCKWAVE
体外衝撃波治療とは
2つの体外衝撃波

体外衝撃波治療には、集束型と拡散型の2種類があり、それぞれ異なる特徴と適応があります。
当院では、集束型体外衝撃波治療機器であるBTL社のBTL-6000フォーカスを使用しております。
この機器を導入することで、既存の治療では効果の乏しかった症状に対して保存療法の選択肢を増やし、より多くの患者様に効果的な治療を提供できるようになりました。
治療は15~20分程度と短時間です。一般的に2~3回を1クールとして実施します。
保険適応されている難治性足底腱膜炎のほか、肩や膝、アキレス腱などの保険適応外では自費診療にて対応しております。ご希望の際は医師にご相談ください。
*治療効果や治療期間は患者様ごとに異なります。
集束型衝撃波
集束型衝撃波は、デバイス先端から発生した衝撃波を一点に集中させ、特定の部位に強力な刺激を与えます。
この特徴により、肘腱付着部炎や骨障害など、限局した病変の治療に適しています。特に、骨組織への効果が顕著で、高エネルギーの刺激により骨細胞を活性化し、骨折部の癒合を促進します。
疲労骨折、偽関節、早期の離断性骨軟骨炎の治療に効果が期待できます。また、変形性関節症に伴う骨髄浮腫にも効果を示す可能性があります。
拡散型衝撃波
一方、拡散型衝撃波は広範囲に作用し、筋損傷や関節拘縮の治療に用いられます。
出力は先端から離れるにつれて弱くなりますが、浅い部位や広範囲の組織に効果を発揮します。
これにより、慢性腰痛や筋・筋膜疼痛症候群、筋肉の柔軟性改善にも役立ちます。
体外衝撃波治療のメリット
体外衝撃波治療は、物理的な圧力波を用いた非侵襲的な治療法で、多くのメリットを持つ先進的な医療技術です。この治療法の最大の利点は、手術を回避できることにあります。手術に比べて入院の必要がなく、術中のリスクも低いため、より安全で手軽な選択肢となっています。
治療中の痛みも比較的軽微で、全身麻酔を必要とする手術と比較すると、患者への負担が大幅に軽減されます。また、放射線治療とは異なり、人体へのリスクが低いため、安全性が高いのも特徴です。
治療期間も短く、外来での通院治療が可能なため、患者の日常生活への影響を最小限に抑えられます。さらに、効果の持続性も高く、治療後数ヶ月で痛みの軽減が見られ、その効果は比較的長期間続くことが期待できます。
*この治療はドーピングに該当しません。
体外衝撃波治療の副作用やリスク
体外衝撃波治療は、一般的に安全性の高い非侵襲的治療法ですが、いくつかの副作用やリスクがあることを理解しておくことが重要です。
副作用
最も一般的な副作用としては、治療部位の一時的な腫れ、内出血、発赤、痛み、感覚異常などが挙げられます。これらの症状は通常、数日以内に自然に消失します。まれに、湿疹や軽度の神経障害が報告されていますが、これらも一過性のものがほとんどです。
治療後、特に翌日に痛みや腫れが増強する場合があります。これは治療の効果過程の一部であり、通常は短期間で改善します。
リスク
治療上の制約として、複数回の通院が必要となる点があります。1回の施術は数分から10分程度と短時間ですが、効果を得るには一定期間の継続が必要です。
また、一部の疾患を除いて保険適用外の治療であるため、治療費が比較的高額になる可能性があります。このため、治療を開始する前に、期待される効果と費用対効果を十分に検討することが推奨されます。
重篤な副作用はきわめてまれですが、個人の状態によっては適応とならない場合もあるため、事前に医師との詳細な相談が重要です。

体外衝撃波治療の対象疾患
体外衝撃波治療は、様々な整形外科的疾患に対して効果が期待できる非侵襲的治療法です。日本国内では、難治性足底腱膜炎に対してのみ保険適用されており、6ヶ月以上の保存療法で改善が見られない場合に適応となります。
国際衝撃波治療学会(ISMST)が推奨する対象疾患は多岐にわたります。
足部
-
足底腱膜炎
-
アキレス腱炎
膝
-
膝蓋腱炎
肘
-
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
-
内側上顆炎(ゴルフ肘)
肩
-
石灰沈着性腱板炎
-
腱板炎
骨
-
偽関節
-
疲労骨折
-
骨折遷延治癒
その他
-
シンスプリント
-
早期の離断性骨軟骨炎
-
早期の骨壊死
-
慢性疼痛症候群(慢性腰痛症や肩こりなど)
ただし、日本では足底腱膜炎以外の疾患に対する保険適用はないため、これらの治療は自由診療(自費負担)となります。治療の適応については、個々の症例に応じて専門医との詳細な相談が必要です。
体外衝撃波治療は、まず診察を受け、適応を確認することから始まります。適応と判断された場合、当日から治療を開始できることがあります。
治療では、患者の体位を調整し、圧痛点や超音波エコーを用いて正確な照射部位を特定します。その後、専用の装置(例:BTL6000TopLine)を使用して、高エネルギーの衝撃波を照射します。照射は低レベルから開始し、患者の反応を見ながら徐々に出力を上げていきます。
1回の治療時間は通常3〜5分程度で、痛みは開始時に感じることがありますが、治療中に軽減していく傾向があります。治療後は医師またはスタッフから、治療部位のケア方法や今後の計画について説明を受けます。
標準的な治療スケジュールは、1週間に1回のペースで計3回の照射を行うことが多いですが、患者の状態に応じて調整されます。全体で4〜6回の治療で終了することが一般的です。
治療後は組織の再生を促すため、約1週間は治療部位を休ませることが推奨されます。効果は通常3〜4日程度持続し、複数回の治療を重ねることで長期的な改善が期待できます。

治療の流れ
体外衝撃波治療の費用は、治療の種類と対象疾患によって異なります。日本では現在、難治性足底腱膜炎に対する集束型体外衝撃波治療のみが保険適用となっています。
保険適用の場合、一連の治療(1〜3回)で保険点数5,000点(50,000円)となり、患者の負担割合に応じて3割負担で15,000円、2割負担で10,000円、1割負担で5,000円となります。ただし、3ヶ月以内で十分な効果が得られない場合は、継続の可否を診察にて判断します。
一方、難治性足底腱膜炎以外の疾患や拡散型体外衝撃波治療は自由診療(自費負担)となります。費用は医療機関によって異なりますが、一般的に初回が10,000円〜20,000円程度、2回目以降が5,000円〜10,000円程度です。拡散型体外衝撃波の場合、1回あたり約15,000円程度、集束型の場合は30,000円から55,000円程度かかることもあります。
複数箇所の治療を行う場合、それぞれの部位に対して同様の費用が必要となります。また、治療前後の検査(レントゲン、MRIなど)が別途必要となる場合もあります。正確な費用については、個々の症例に応じて医療機関に確認することが重要です。

体外衝撃波治療の費用

自費治療料金
体外衝撃波治療(保険外部位)1回目
1回
16,500円
体外衝撃波治療(保険外部位)2回目以降
1回
5,500円
(税込)