
骨密度検査
BMD
骨密度検査とは
骨密度測定検査は、若年者と比較してどのくらい骨の量が減っているかを調べます。
測定方法は超音波を利用する方法とX線を利用する方法の大きく2種類があります。
健康診断などでは、簡便に測定できる方法として超音波を踵に当てて骨の強さを測定することがあります。この方法は簡単に骨の強さが測れ、骨折リスクを検査する方法として利用されていますが、骨粗鬆症の診断に用いることは出来ません。
骨粗鬆症の診断を行うためには、微量のX線を使用して腰椎や股関節、前腕などの骨の密度を測る方法を用います。
超音波法に比べて大きな機械を使いますが、精度の高い検査結果を得るため、当クリニックではX線を使用する装置を用いて腰椎と股関節頚部の2部位の骨密度を測定しております。
椎体圧迫骨折や股関節頚部骨折などのリスクを評価することができるため、予防という観点からも非常に重要な検査となってきています。
検査時間は5〜10分程度仰向けに寝ていただくだけで、痛みもなく検査が可能です。
骨密度検査の特徴

骨密度検査は、スポーツ整形外科領域でも重要な役割を果たす検査方法です。この検査は、骨の強度を評価する代表的な指標である骨密度を測定します。主にX線を用いて、骨内のカルシウムなどのミネラル量を測定し、骨の質と強度を調べます。
検査結果は、若年成人の平均骨密度を100%とした相対値で表されます。一般的に、80%未満は要注意、70%以下は骨粗しょう症と診断される目安となります。特に腰椎や大腿骨頸部の骨密度が重要視されます。
骨密度検査は骨粗鬆症の診断に不可欠で、骨折リスクの評価にも役立ちます。スポーツ選手や一般の方々にとって、骨の健康状態を知る重要な手がかりとなります。特に女性は40歳以上になったら、症状がなくても定期的な検査が推奨されます。
この検査は非侵襲的で安全性が高く、スポーツ障害の予防や治療方針の決定に貢献します。骨密度の変化を追跡することで、トレーニングの影響や治療の効果も評価できます。
骨密度検査のメリット
当院では骨密度検査を主にDEXA法で行っております。
DEXA法は、2種類のX線を使用し、脚の付け根や腰の骨密度を測定する方法で、精度が非常に高く、誤差が少ないのが特徴です。測定時間が短く、X線被ばく量も少ないため、特に腰椎の内部の海綿骨の評価が可能で、治療効果の判定にも有用です。
他の方法として、超音波法があります。これは踵の骨密度を測定し、放射線被ばくがないため妊娠中の方も安心して受けられますが、精度にはやや誤差があります。当院では、最も精度が高いとされるDEXA法を用いて、適切な骨密度の評価を行っております。
これらの検査を通じて、スポーツ選手の骨の状態を正確に把握し、怪我の予防やトレーニング計画の立案に活用しています。定期的な検査を行うことで、骨密度の変化を追跡し、選手の長期的な骨の健康管理に貢献します。
骨密度検査の副作用やリスク
骨密度検査は全般的に非常に安全な検査方法で、深刻な副作用やリスクはほとんどありません。しかし、検査方法によっていくつかの注意点があります。
DXA法、RA法、QCT法などX線を使用する方法
わずかな放射線被ばくがあります。ただし、これらの被ばく量は一般的なX線撮影と比較しても少なく、健康への影響は極めて小さいと考えられています。
いずれの方法でも、検査による重大な合併症はほぼ報告されていません。
骨密度検査は、そのリスクの低さと得られる情報の重要性から、スポーツ医学において安全かつ有用な検査として広く活用されています。
ただし、妊娠中や妊娠の可能性がある場合は、事前に医師に相談することが推奨されます。
骨密度検査は、スポーツ整形外科領域において重要な診断ツールです。この検査は、骨を構成するカルシウムやリンなどのミネラルが、単位面積当たりにどれだけ密集しているかを測定します。これにより、骨の強度を客観的に評価することができます。
主に骨密度検査で発見される代表的な疾患は骨粗鬆症です。骨粗鬆症は、骨密度の低下により骨が脆くなり、骨折のリスクが高まる状態を指します。スポーツ選手にとっては、パフォーマンスに直結する重要な問題となります。
また、骨密度検査は代謝性骨疾患の診断にも役立ちます。これには、カルシウム代謝異常、ビタミンD欠乏症、副甲状腺機能亢進症などが含まれます。これらの疾患は、骨の健康に直接影響を与え、スポーツ選手の競技生活に支障をきたす可能性があります。
さらに、骨密度検査は治療効果の判定や経過観察にも用いられます。定期的な検査により、骨密度の変化を追跡し、治療の有効性を評価したり、トレーニングプログラムの適切性を確認したりすることができます。

骨密度検査で見つかる主な疾患
当院では骨密度検査において、DEXA法を採用しています。
DEXA法は最も一般的で信頼性が高く、腰椎や大腿骨の骨密度を測定するのに適しています。微量の放射線を使用しますが、検査は痛みがなく、約5~10分で終了します。
他にも、超音波法やMD法があります。超音波法は放射線を使わずにかかとやすねの骨密度を測定することができ、MD法は手のX線を用いて骨密度を推定します。
いずれの方法も非侵襲的で、特別な準備や後処置は必要ありませんが、検査中はなるべく体を動かさないように注意してください。

骨密度検査の流れ
保険適用時の窓口負担額は、1割負担の方で約140円〜450円程度、3割負担の方で約420円〜1,350円程度となります。ただし、これらの金額には初診料や再診料は含まれていないため、実際の支払額はこれより高くなる可能性があります。
一方、症状がなく予防的に検査を受けたい場合など、保険適用外となることがあります。その場合の自費診療では、 およそ4,500円(税込)程度の費用がかかります。
なお、自費で検査を受けた結果、骨粗鬆症と診断された場合は、その後の検査や治療が保険適用となる可能性があります。
